そして3度目の外泊は……。

木曜の昼に弟を病院へ送り届けて、事務所で本業をみっちりやっている最中に母から電話が入る。
8月中旬に胃がんのステージⅣと診断され、短くて余命1ヶ月、長くて余命3ヶ月と宣告された父が危篤状態らしい。ただしその前に2度も危篤状態に近いとの電話を病院から直接受けている私は、「またか」とも思ったし、本業の仕事が溜まりすぎているしで、死にゆくものよりも、生きている自分を選んだ。
5月から続く、弟との二人三脚(パパも入れての三人四脚が正解なんだが)で、本業の私の担当部分が中途半端なまま走っているため、時間が取れる時に、始末しておかないと、極端な話ではあるが、本業が潰れてしまう。
懇意にしている従弟からも電話が入ったので、その旨を説明したが、納得出来ない母は何度も電話を入れてくる。詳しい説明は省くが、ここ数年、弟も私も父とは行き来しておらずで、弟がくも膜下出血で倒れた時も、父は一切顔を出していない。でも弟の初外泊時には昏睡状態に近い父の見舞いに二人で出向いた。私たちが顔を出して。父の耳元で「自慢の息子を連れてきたよ」と声掛けしたら、看護師さん曰く、この日、初めて目を開けたとか。そうだね。自慢の息子には会いたかったんだろうね。
そして木曜の晩に亡くなった。
仕事の目処をつけて、実家へ行き、バタバタと動いている従兄弟たちを横目に、さて弟をいつこちらへ連れてくるかで、パパと軽く相談。金土の診療を断れというパパと、患者さんが一番だから診療はするという私。土曜の夜に通夜、日曜の午前に告別式となり、診療は出来る格好である。父の自慢の息子の歯科医院だから、診療休むなんてありえへん!で不出来な娘は突っ走る。それが父の本意であったかは不明であるが、まま不出来な娘がやることだから良しとしよう。

金曜の朝、弟が看護師さんに電話をしてほしいと言って、私に電話が入った(何を言いたかったのかは言葉が出て来ずで、この時点では不明)際に、父が亡くなったことを告げる。覚悟はしていたことなので、弟も冷静に受け止めていた。病院へはその後、私から電話を入れて、土曜の夕方から日曜の夜までの外泊を願い出る。そしてまた午後、弟から入電。今回は聞きたかったことを紙に書き留めての電話であったが、それが読めずで、結局、看護師さんに変わって読んでもらい事なきを得た。保険は大丈夫か?病院の支払いは大丈夫か?の2点であった。電話だったので保険を健康保険の事だと思っていたのだが、後ほど本人と顔を合わせて話したところ、生命保険のことであった。パパ曰く、内容はどうでもよく、多分ママ聞いて電話であろうとのこと。確かに病院の支払いが出来ていなかったら、いられないし、生命保険は後日でもなんとかなるものだし、そうなんだろうなと納得。ちなみに終身には入っているが、入院などをカバーする保険には入っておらずで、歯科医師会の互助会から出る休業補償で少しクリアって形でしょうか。実際、歯科医院の経営を続けていなかったら、いろいろ不具合が出ることでしょう。先を見越しての休業補償にきちんと入っておくべきでしたね。

パパがいつもの夕方訪問で病院へ顔を出した時に「床屋さんへ行きたい」と言ったので、パパ行きつけの理容院に土曜午後のアポを取り付けた。仕事も忙しく、あれもこれもやらなくてはいけないことが山積みのパパは、分刻みで動いているのが現実なので、「床屋なんてどうでもいいでしょ!」と私が言うと、「ちゃんとしたいんじゃない」とパパ。だが「送迎どうする?」でまた悩む羽目となる。この件は、パパが病院から理容院へ連れて行き、パパ弟が理容院から歯科医院まで送るでクリア出来たが、本当に周囲に迷惑をかけっぱなしである。

あれこれあって、無事通夜に参列させることが出来た。問題はちゃんと座っていられるか?トイレが近いはずだが、クリアできるか?である。弟宅にて、弟のお数珠が見当たらずで、斎場からお借りしたのだが、通夜後、どこかに置き忘れる。お焼香の仕方をレクチャーしておけば多分大丈夫だったのだが、することなくお焼香させてしまい軽く失敗。まずはそのぐらいで済んだ。
やはり疲れた様で、通夜後、すぐ帰ると言うので、家まで送って行き、私は式場へ一旦戻る。数時間して少し心配になり、家へ顔を出し、結局、私も疲労困憊でそのままフェードアウト(汗)。

翌日の告別式は通夜より長いので、こちらが乗り切れるだろうかと、またもや不安であったが、思ったよりはましであった。ただし昨日どこかに置き忘れたお数珠は斎場内にあったらしいが、今回はそのお数珠をお花と一緒にお棺の中に入れてしまったらしい。一つのことしか出来ないのが高度脳機能障害である。まま仕方がなかろう。斎場の方もいいですよと言ってくださったし。

そう言えば、斎場から火葬場へ移動する際に、赤いコ(黄色いコ車検中につき、ト◯◯ィー借りてます)を見た斎場の担当者が「メガーヌですか!」と目を輝かせていたのが印象的でした。あ〜クルマ好きなのね❤︎

お骨上げもちゃんと出来たし、その後も難なくクリア。思ったより良く出来ました。パパと共にすごく心配していたけれど、これで一段階上がったんじゃないでしょうか。

3度目の外泊は、大きな大きな経験となりました。

お父さん ありがとうね

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