おだいじに

高次脳機能障害

「おだいじに」
この言葉さえも言えない。

今朝も同じことの繰り返しである。
「おだいじにぐらい言おうよ」
と……。
「(代診の)む○○○先生とバカ話を患者さんの前でするのはやめて、おだいじにが先」
だと苦々しく思いながら、説教をした。
しかし弟にはまるで響いていない。
それどころか、む○○○先生にチクる始末。
「バカ話をするなと言っていた」
と。
違うのだよ!
バカ話ができるのだったら、おだいじにぐらい言えるだろうが真なのだよ。
本当に見た目は普通だけれど、頭の中は3歳児だ。
患者さんが20人くれば、20回の『おだいじに』が言える。
良い練習ではないか。
それを毎回毎回言い続けているのに、全く理解してくれない。
理解してくれるどころか、ケチをつけていると思っている。

『おだいじ』は『ありがとうございます』と同義語だとワタシは思っている。
だから感謝の心を忘れた弟には、ぜひとも言えるようになってほしい。
そう思い続けて
「言おうよ!」
と毎日のように言っている。
それなのに、今日も一言も出なかった。
「言ってないよね」
と聞けば
「言った」
と嘘をつく。
スタッフたちに確認すれば、嘘だとバレるのに。

今日はなんだかもうどうでもよくなってしまった。
否、今日はではなく、今日もかな。

どうしてこうも響かない。
何をどうしたら響くようになるのだろうか?

先生と呼ばれる立場の人じゃないと、弟のやる気は起こらないのだろうか?
言語聴覚士さんが出す宿題は必死になってやろうとする。
先生と呼ばれる人だから。

ワタシは素人である。
病前の弟からみれば、バカな姉だったのだろう。
まま確かにバカだ。
再起できる可能性がはるかに低い弟のサポートをしているのだから……。

弟自身が本気を出さない限りは、歯科医師としての再起はない。

そして、ワタシにはこのまま走る続ける自信はもうない。

しゃん

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白茶たちと楽しい毎日♪ 柑橘系黄色なNEW Kangoo乗り、くも膜下出血で高次脳機能障害となった弟のリハビリに向き合っています。 Sonic ver.m 2002.9.14〜2017.7.8 アスカ 2006.3.28〜2021.3.27 蘭丸 2015.2.7〜 HUALI 2010.6.18〜

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