バブルの頃、自己啓発セミナーとかに参加していたらしいパパ。
そんなパパが、弟に対して
「自分の周囲で1番嘘つきだと思う人を想像してみて」
と問うていた。
答えは『自分』だそうだ。
しかし1番の嘘つきではあるが、自分を一番信頼しているのも自分であるというのがミソだそうだ。
今、弟が診療室内で与えられている仕事に対しての評価をスタッフにしてもらっている。
単純に○△×だけなのだが、×の割合が非常に多い。
それはなぜか?
自分から動かないからである。
指示がないとやれない。
やらない。
だから×評価である。
それが弟には納得できないようだ。
「やろうとしているのに」
「やっているのに」
と言う。
しかし明らかに、動きは遅いし、やれていない。
動きが遅いのは高次脳機能障害であるから、差し引くとしても、やれていないことの多さが目につくのだ。
水曜日にアクリノールという消毒液をシリンジにとって、チェアまで持ってきてとスタッフに指示された弟。
手薄だし、もしかしたら……と不安を覚えたので、受付を離れて見に行くと、やはり不安的中。
通常は瓶からスポイドでアクリノールを吸入して、小さな計量カップに移して、シリンジで吸入させるのだが、瓶から直接、小さな計量カップに移したため、カップからあふれ出してしまっていた。
小さな計量カップを弟の手から、奪って、自分でサクッとやって、チェアまで持っていったのだが、今までもこうしてやっていたのだろうか?
これではアクリノールの無駄が多くなってしまう。
タオルも汚れる。
手順を図解化するのが、一番かと思い、メモ用紙に落書き程度のイラストを書いて、アクリノールが置いてある近くの壁に貼った。
果たして、弟は次回から、この落書きをちゃんと見て、間違えずにやれるだろうか?
何度も何度もやり続けていることは、正しくできるようになってきている。
何事もそれを目指すしかないのだ。
そこへ行き着くまでの手はずをつけるのが、ワタシの役目なのだろう。
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