昨日はお昼にワタシに叱られてから、ずっと不機嫌だったらしい。
叱られたからではないのかもしれない。
弟を不機嫌にしたのは、ある一言なのだと思われる。
「あなたが歯科医師として復帰できるなんて、誰も思ってないよ」
この一言。
これは、代診の先生方やスタッフたちを交えてのランチミーティングの時にも皆から言われた一言である。
ワタシはある時までは、もしかしたら戻れるかもしれないと信じていた。
しかし高次脳機能障害となった弟のリハビリは、そう簡単にはいかないと気がついた。
悪いことに本人は、何も努力しなくても大丈夫だと思い込んでいる節がある。
治療のあれこれは全て覚えていると思い込んでいる。
しかしいざやらせてみると、落ち度だらけだ。
これでは全く任せられない。
当たり前だ。
覚えていると思い込んでいるから、誰にも教えをこわないし、真摯に向き合うこともない。
歯科治療は本当にそれぞれである。
歯は機械ではないのだから……。
患者さんごとに治療方法を考えて、施術していかなくてはいけない。
その考える(組み立てる)ことができないのが高次脳機能障害のひとつである。
弟には、それが謙虚に現れていると思われる。
そしてそれを本人は理解しきれていない。
それも高次脳機能障害のひとつだ。
決して知能が低い訳ではないが、そこが抜けることで、本来の知能より低い状態になってしまう。
それをどうカバーするかなのだが、素人のワタシには、それが上手くできるとは思えないし、ワタシの言うことに耳を傾けない弟には、何もしてあげられない。
悔しいが、それが現実だ。
強権政治を続けたワタシの落ち度ではあるが、本当に口惜しい。
現在、言語聴覚士さんと作業療法士さんのおふたりに週一度ずつお世話になっている。
またこの4月からなので、効果のほどは見えてこないが、なんとか良い形に持っていければと祈念している。
ただし、甘い期待は決して持つことなく見守るのみである。
しかし、これはチャンスなのかもしれない。
そう思う木曜午後。
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