水曜夜はペアトレーニングの日であったが、その日の夕方にちょっと落ち込むことがあり、ワタシはお休みした。
スタッフのひとりが帰り際にすごく怒っており
「どうした!?」
と声をかけると
「全く院長は!」
と弟への怒りを露わにしていた。
何があったんだ!?
とずっと気持ちがザワザワしつつ、診療終了までレセコンと睨めっこし、受付業務をこなしていた。
おおよその片付けが終わった後、技工室に入ると、いっぱいのセット物が消毒液に浸かっていた。
そして午後に入ってすぐに滅菌器にかけたと思われるものは、まだ滅菌器に入ったままであった。
多分、先程のスタッフはこの滅菌器に入ったものを「片付けたら」と弟に声がけしたのであろう。
そして、それに対して弟は「知っとるわ」とでも返したのであろう。
スタッフは良かれと思っての声がけである。
それに対して、弟のそれは反発なのであろう。
弟は高次脳機能障害となり、皆に支えられながら今があるのだ。
どれだけ多くの人に支えられているのかを弟は理解しているのであろうか?
パパはずっと『感謝』の心が育つのはとても難しいと言っている。
脳の一部が壊れた弟には『感謝』の心がないとも言う。
確かに現在の弟を見るに、そうとしか思えない。
しかしこれは素もあるのだと考える。
元々、口が重く、ずっと先生と呼ばれてきた人間である。
感謝されることはあっても、感謝することは気薄になっていたのではないだろうか?
それはワタシもそうである。
弟のことがあって、やっと人として、少し成長させてもらえた。
ほんの少しであるから、いまだに弟のやることにめくじらを立てる。
冷静になって、ゆっくり話すことが出来れば、弟に比較的響くのかもしれないが、それができないでいる。
まだまだである。
神様はいろいろな試練を与えてくださる。
ありがたく受け止めよう。
そんな金曜午後。
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