今の弟はやり遂げることが出来ない。
印象、石膏流しをやってもらうことがあるのだが、どれも上手く出来ない。印象材を練るのは水との配合がほぼ決まっているので、それなりの形になるのだが、トレーに盛るのが上手く出来ない。スタッフたちの姿を見ているし、以前の記憶もあるだろうから、それなりに出来るのではと思っていたが、スパチュラへの取りが甘く、トレーに何度も何度も載せなくてはいけないため、時間がかかり、トレーへの盛りも汚く、印象材が硬めになってしまう始末。
石膏流しは、スタッフたち皆が目分量で配合しているため、弟がやると水が非常に多くなり、その後、石膏を更に足して足してで非効率的なので、ある程度の指針を作っておこうと、あり合わせのスプーンとカップで分量を割り出した。季節によって、水分量が違ってくるため、硬めに上がるようにしたら、水を足しすぎて、失敗したようだ。スパチュラに水を取って足すようにすれば難ないことなのだが、それが出来ない。そして取った印象に流すのも気泡が入る確率が高い。じっと作業することが難しいのであろう。
弟自身は削ることつまり治療がしたいようだ。しかし、こんな単純な作業が出来ないのだから、患者さんのご迷惑になることは必至である。
事あるごとに、印象とりも石膏流しもまともに出来ないのに、複雑な思考を必要とする治療など出来るはずがないと言い含めているのだが、本人はとてもポジティブで出来ると信じているらしい。代診の先生に私を指差して「やらしてくれない」と言ったりしている。
果たしてどうすれば、現実把握をさせることが出来るのであろうか。
パパといろいろ話しつつ、あ〜でもない、こ〜でもないと試行錯誤しているのだが、やり遂げる事が難しい弟が、出来るのであろうかと試すことさえ出来ない有様である。
でも、やらずに諦めるのも悔しいので、ひとつ試してみる予定ではある。
長い長い試行錯誤は続く。
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