「これをするときに、こうやってしまって、こうなるんだから、こうしてみたら」
は高次脳機能障害の弟には通じない。
まずは、弟がひとつことをする。
そしてそれが不完全なら、それに対してのアプローチをこちらが考える。
その上で指示する。
この指示の仕方も単純にする。
着実にひとつひとつをこなさせていく。
そうして自信を生ませる。
ってか最初っから自信満々っぽいんだが……。
今までは、それを潰していっていた。
しかし4年以上それを続けていたが、何も産んでいない。
ますますワタシに対しては頑固になっていく。
さてさて。
多くを望まない。
そう考えを変換すれば、事は簡単である。
ある日、パパが言った。
「歩きがまだおかしいよね」
と。
カニ歩きなのだ。
つまり右半身の麻痺はわずかながら残っているってことだ。
本人は麻痺はないと思い込んでいるが、動いている姿を見れば一目瞭然である。
まぁデブってることも多いに影響しているんだろうが……。
このデブ解消が困難なのが、また問題を大きくしている。
毎水曜日にパーソナルトレーニングに連れていっているのだが、何をしているのか、何を求めてのトレーニングなのか、理解していないかもしれない。
一向に体重が減る様子がないのだ。
食生活には多いに問題があることは発覚したのだが、指摘しても、改善しようとは思っていないのかもしれない。
パパからは
「送り迎えをしなくてはいけないのが、リスクを大きくしているから、考えた方がいいよ」
と通告されちゃったしなぁ。
ふ〜む〜。
通わせるのではなく、リモートトレーニングに切り替えるか!?
それならば水曜日でなく、他の曜日で夕方にトレーナーさんの都合のつく日でもオッケーだし。
ただしこれは弟の体幹がちゃんとしてからの方がいいんだけどなぁ。
リモートだと、ちゃんと出来なさそうだしね。
当分はパパに頼る(ここ数回、帰りはパパにお願いしていた)ことなく、送っていって終わるまで近くの珈琲屋さんで、時間を潰すことにしよう。
前はワタシも一緒にトレーニングを受けていたのだが、1クール終わったところで、弟ひとりのトレーニングに切り替えた経緯がある。
実は、弟の2度目の術後に主治医から脳のCT画像を見せてもらったときに、あまりの空洞の多さに驚いた。
しかしそんな空洞が多い脳なのに、術後は意外と回復している。
だから多くを望んでしまうのだ。
シンプルに望まないとすれば良い。
そう舵を切り直すと決めて、事を進める。
今、東濃地方で認知症専門医をされている先生が書かれた『ボケ日和』という本を読んでいる。
さっと読めてしまうが、大切なことがいっぱい記述されている。
そしてワタシが不思議に思っていたことが、さらっと明けた。
そんな金曜午前。
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