今現在、歯科医院に通ってくださる患者さんの中に、高次脳機能障害の方がいらっしゃる。
先日、初診でいらした際にご自身から
「交通事故に遭ってから記憶が曖昧なので」
とのことをお聞きしたので、高次脳機能障害であることが、こちらにも分かった。
このようにご自身から告げられなければ、その方も見た目に変わりがないので、全く分からない。
ここまで来るのに、ご家族もいろいろご苦労をされたことは容易に想像できる。
それはワタシ自身も高次脳機能障害を持つ家族がいるからであるが……。
支払いは出来るし、予約の時間通りに歩いてこちらまで来ることもできる。
ただし短期記憶が曖昧なようで、初診時にお渡しした診察券をどこへ置いたのかを忘れてしまったようだ。
毎回、ご家族へお手紙を書いて、治療内容、次回の治療予定などが分かるようにはしているのだが……。
弟はこの方に近いのであろう。
ただしプライドは天よりも高い。
だから、さらに様々な障害を生むこととなる。
今朝はパパを助手席に乗せて出勤した。
送迎してくれると言ってくれたので、送だけは自分で運転してきた(笑)。
朝ごはん作りをズルしたので、途中、コンビニに寄って、サンドイッチなどを買ってきたのだが……。
7時を過ぎても7時半を過ぎても弟は2階から診療室へ降りてこない。
それどころか、7時半過ぎに階段を降りてきたと思ったら、どこかへ行ってしまった。
どうやらコンビニへ歩いていったようだ。
30分ほど経って帰ってきたと思ったら、そそくさと2階に上がっていった。
その後、降りてくる気配が全くないため、覗きに行くとシャワーを浴びている始末。
これが8時半。
8時50分過ぎにまた2階へ行くと、ダイニングチェアに座って、小分けした薬の袋を手にヌボ〜ッとしていた。
「何しとるの?」
「何時やと思っとるの?」
と聞いても返答はなし。
ワタシの顔を見て、ヤバいと思ったのか、立ち上がって、降りてくるそぶりを見せたが
「降りて来なくていい」
で収めた。
「なんでや」
と抵抗はしていたが、時間も曜日も見事に抜け落ちた人間には用はない。
7時には診療室に降りてきて、鍵を開けて、新聞を出し、コンプレッサーのスイッチを入れて、つり銭の準備をしなくてはいけない。
それが終わったら、朝ごはんを食べつつ、今日のスケジュールを書く。STさんの宿題をする。
それが毎朝のやるべきことであり、ここ数ヶ月、少しの遅れはあったものの、ちゃんと続いていた。
それなのに今朝は……。
昨日のことが響いているのか、それとも脳がさらに壊れたのか?
何れにしても反省してほしい。
しかし反省はしないであろう。
多分、これをワタシが打っている今も、2階でヌボ〜ッとしているだけであろう。
さて次の策は……。
今日はSTさんのリハビリの日である。
またお手紙を書いて相談することとしよう。
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