病識がない怖さ。

高次脳機能障害

弟には病識がない。
だから出来ると思ってしまうし、出来ないわけないと思い込む。
そして姉が邪魔をするから、何もさせてもらえないのだとの思いが膨らむ。
今回、薬をワタシの元へ持ってこなくなり、さてどうするのだろうか? と思いつつ、薬ケースを密林でポチっておいた。
今朝から、ワタシが準備していたチャック付きビニール袋は用意していない。
今朝の分はどうしたのだろうか? と朝一で弟に
「薬を持ってきなさい」
と指示すると、無印のケースに入れた今日1日分の薬3錠を持参した。
「否、それではなくて、薬を袋ごと持ってきなさい」
と再度指示し直して持参させる。
「さてこれをどうやって日々自分で用意するのだ」
と尋ねると、ケースを指差して
「これに入れる」
と言う。
「何日の分が入っているってわかるのか? 入院していた病院で訳が分からなくなってしまったではないか」
と尋ねると、口をとんがらせて
「それは前であって」
と返ってくる。
しかし前であろうが後であろうが、数の概念がしっかりしていない弟に管理が出来るとは思い難い。
「自分が今、日常や仕事で出来ていると思っているのは、周囲がサポートしてくれるからであって、決してあなたがやれるからではないよ」
と諭す。
「例えば、この薬にしても、10日に1回、このビニール袋に日付を書いたものと薬をあなたに渡して、あなたが薬を小分けして置いておくから、忘れずに飲めているんだよ」
「仕事もこうすれば、わかりやすいなと皆が前もってやってくれるから、なんとかなっているんだよ」
と。
長い話なので、果たして頭の回転がついていっているかどうかは分からないが、まさにその頭の回転がついて行っていないのであれば、それが弟の障害であるのだし、その障害を持っている証明にもなる。
それでも自分は間違いなく出来るのだと信じている。

ココでポチった薬ケースを差し出す。
月曜日から日曜日まで、7日間の薬を入れれるようになっている。
1日1回3錠の服用なので、これで十分である。
「今日は何曜日?」
弟は少し考えて、火曜を指差す。
「では火曜から日曜までに薬を入れる」
と薬にハサミを入れて、小分けしながら、ササッと弟の目前へ出す。
そして弟はケースに入れる。
「これで日曜までは準備できたから、日曜に飲み終わったら、月曜から日曜までにまた薬を入れて準備すること」
と伝えて、今日は終了。
若干心配ではあるので、来月曜に持参させて確認せねばではある。
この手間を惜しむと後で後悔するのはワタシなのでね。
とにかく、病識が持てるまでは地道にやっていくのみである。

そんな月曜午前。

しゃん

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白茶たちと楽しい毎日♪ 柑橘系黄色なNEW Kangoo乗り、くも膜下出血で高次脳機能障害となった弟のリハビリに向き合っています。 Sonic ver.m 2002.9.14〜2017.7.8 アスカ 2006.3.28〜2021.3.27 蘭丸 2015.2.7〜 HUALI 2010.6.18〜

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