「こんなこと、前はやってなかった」
と弟は言う。
そうだね。
以前はやってなかったね。
でもあなたがこの仕事をするようになってから、周囲が創意工夫してくれて、そうすることになったんだよ。
と説明したいが、聞く耳は持っていない。
2ヶ月ほど前から、洗い場の排水口にネットをかぶせるようにした。
歯科医院の場合、排水口から一旦、下の丸型石膏トラップを通して、排水される仕組みになっているのだが、先日、久しぶりにチーフがトラップを掃除した時に、数々の小さな器具が出てきたそうだ。
それは、弟の病前にもあったことではあるが、今回、なるべくなくすために、ネットで受けることにしようとなった。
そのネットを最後に交換するのが弟の仕事のひとつに加わった。
その仕事を前はやってないと言っているのである。
でもそうすることで、小さな器具類が見つけやすくなる。
洗いを担当している弟にとっても利点なのだ。
それが彼には理解できない。
前はやってなかった。
それだけで……。
両手を使えば、比較的楽にできる作業も、やはりまだ右手に不自由さが残っているのと、左利きであることも重なって、左手だけで作業をしようとする。
だからこのネットをかぶせることもやりにくそうにやっている。
作業療法士さんには両手を使って作業ができるようにリハビリを、とお願いしてはいるが、まだまだ時間がかかりそうだ。
弟はガンコちゃんだしなぁ。
車に乗る時もシートベルトをするのを片手でやろうとする。
太っているのと、助手席なのに左手でやろうとするのが重なって、とても時間がかかる。
アッ! ワタシが左ハンドルMTを買えば良かったのか(爆)
買うチャンスはあったんだが……。
でも、それはちっさいから、太ってる弟には不向きだね(水爆)
「両手を使いなさい」と言われて、やっと使う。
それの繰り返しである。
車に乗るのはたまにだからか、一向に改善されない。
見ていて歯痒いが、経験を積むことで改善されることを望みたい。
作業療法士さん頼みますよ!!
そんな水曜昼。
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